BLOG: Exhibition Report

2018年12月30日

展示室の第1章でご覧いただいた動物イラストレーション。

1973年、若き日の五十嵐がデザインしてから45年を経て、現在の技術にて、大判の合板にシルクスクリーン印刷という新作版画でした。

展覧会開催を目前に、製作に協力してくださった二社(合板:ニッタクス、シルクスクリーン印刷:熊沢印刷工芸)の方々と、来館者に気軽に持ち帰っていただけるポストカードサイズの製作もしたいねと、designshopの森さんにプロデュースをしていただいていた矢先のことです。最大震度7の大地震が北海道を襲いました。ちょうど展覧会開催1ヶ月前のことでした。

地震前日の大型台風被害の対応もままならぬまま、全道が停電しているとニュースが流れ、美術館も数日間休館。
多くの方からお見舞いの連絡をいただきました。

数日後、五十嵐が思い立ち、関係者に声をかけました。ポストカードはチャリティーにしてはどうだろう。

全員が即答で快諾。せっかくなので、学生さんでも購入可能な低価格に設定しようと話し合い、合板は700円、厚手の紙(GAファイル)は200円に決め、会期中、ミュージアムショップにて販売していただきました。(合板は1枚ずつ手作業でサンディング及び下塗り、もちろんシルクスクリーン印刷も1枚ずつ。手間をご存知の方は、この破格に驚かれていました。)

嬉しいことにポストカードは大好評で、数量限定の合板バージョンはあっという間に完売。会期中、二社には追加製作もしていただきましたが、紙バージョンも含め、予想以上の反響でした。

同時期に開催されました東京麻布のdesignshopでの展覧会「五十嵐威暢と世界のコレクション展」時のカード売上も合算し、一昨日、『平成30年北海道胆振東部地震災害義援金』として日本赤十字社へ¥374363を寄付させていただきましたことをご報告いたします。

みなさまのあたたかなご協力に心より感謝申し上げます。

文・写真:羽田麻子