BLOG: Work in progress

2018年8月21日

合板にシルクスクリーン印刷をする日がやってきました!
五十嵐も札幌から駆けつけ、いざ、埼玉の熊沢印刷工芸さんへ!

初めての挑戦でぶつかった難題をクリアしつつ迎えた本日。合板担当のニッタクスの大山さんと五十嵐は、とても嬉しそうです。(給食当番さんのようなヘアキャップが可愛い二人です。)

4m×2mという巨大サイズまで対応可能な大型のシルク印刷機は、28年前の1990年に熊沢会長がスウェーデンから輸入されたそうです。
今回の動物イラストレーションのうち3点は2.2×2.2m。この機械でさえ、ちょっとはみ出るのですが、なんとか工夫し印刷してくれることになりました。向こうにいらっしゃるのが池田工場長。そして、印刷機の愛称は『ビッグマンモス』お任せしました!

シルクスクリーン印刷は、その名の通り、昔はシルク(絹)を使っていたそうですが、現在はナイロン製。このスクリーンに、インクが貫通する部分としない部分を作り、上からインクを刷り込む。すると、下に置かれた紙(今回の場合は合板)に絵柄が印刷されるという仕組みです。デジタル印刷の全盛期、このアナログ感だけでグッと魅力を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

印刷機は自動なのですが、インクの量は職人さんの勘頼み。足りなかったら掠れてしまうので大変です。

自動印刷中も、職人さんは軽やかに移動し、機械の動きに合わせて手を添え微調整。
どうしても避けられなかった合板の数ミリの反りの影響が気になり見守る私はドキドキでした。

スキージーがゆっくりと一定の速度で動き、インクをスクリーンに刷り込み、象のイラストレーションが合板に印刷されていきます。

そして刷り終わった途端、すごい勢いで隣にスライド。
トースターから食パンがポンと出てくるような感じとでも言いましょうか。そのスピードに驚きました。

そ・し・て・ご覧ください。なんて美しい仕上がりでしょう!
熊沢社長も笑顔です。

18mm厚の合板は重く、大勢の職人さんが丁寧に移動してくださいます。それを見守るのは、45年前に出会った熊沢会長と五十嵐。「無理無理」「不可能です」「そんなことできないよ」と言われると、ますます挑戦したくなるチャレンジ精神がそっくりだということがわかりました・笑

インクは乾くと圧倒的な存在感でマットに落ち着きますが、印刷したての瑞々しさもたまりません。

シャープさと柔らかな木目の競演に見惚れました。

動物イラストレーションは、象を含めて10点のシリーズ。3サイズの合板に印刷し展示予定です。
シルク印刷と合板のコラボレーションは、想像以上の仕上がりでした。

文・写真:羽田麻子